雨の散歩男 

今日は雨だった。そんなに蒸し蒸ししていない。まだ、湿気が少ないからだろう。
日曜日の雨のam4時は、とても孤独で、海もいつもより荒れている。音が違うのだ。いつもの「ザザ〜〜」に対して「ザッバ〜〜ン」と上から叩きつけるような感じの悪い音だ。

音によって心の落ち着きも違う。上下の波の音は、心が痛い。
横波は、少し心を落ち着かせるし聞いていて癒される。

傘に落ちる小雨は、パラパラと良い音だ。雨の日独特の楽しみでもある。足元には水溜りが点在し、街頭の明かりがそれに反射する。 歩みを進める僕は、暗がりの中で水溜りに思わず足を踏み入れてしまう。
明かりがないと水溜りもその姿を消す訳だ。足首を使って水を振り払い、また歩き出す。
 
 やっとたどり着いたいつもの公園には野良犬が2匹、何かを探してウロウロしている。もしかしたら、僕と似た性格の持ち主なのかもしれない。彼らは、僕の姿を確認すると向こうの方へ去って行った。僕のことを知っているのかもしれない。彼らの後をつけるか迷ったが、どうも気が進まないのでやめておいた。僕の勘は鋭いんだ。もちろん、また彼らと出会う機会があって、その時の僕の勘がGoサインを出せば突き進むことになるだろう。



 いつもより手間のかかった散歩は、いつもと違った情景を写し出す。