散歩男と道案内 #novel


 図書館へ行った帰りにいつもと違ってバスで帰ろうかと思い、
エスカレーターを上がろうとすると
「すみません。モザイクはどっちですか?」
と尋ねられた。ハッ として顔を上げると 金髪の女性、外国人だった。
「あぁ 真っ直ぐです。」と答えた。
日本語を話せる外国人って増えてますよね。

 それにしても、僕は街に出るとかなりの確率で女性から道を尋ねられる。
僕からすると、またか。と思う。 
他にもたくさん人がいるのに、なぜいつも僕なんだ?

 嫌なわけではないんだけど、なぜなんだ?なぜなんだぁーーーー。
と理由を考えてしまう。

 観光地に姉夫婦を行ったとき、僕は見ず知らずの学生と思われる女性グループに
「写真お願いしていいですか?」
と言われる、断る理由もないので、とる。

グループなのでその台数分のカメラが存在し、その数だけ僕はシャッターをきる事になる。
4人目になると 首からぶら下げたカメラが、ドラキュラの嫌う十字架のように見えてしまう。
その後、オイシイ思いをするわけでもなく、ただ「ありがとう。」と言われてそれでおしまいだ。

そういえば、僕はただのいい人なんだ。恋愛でもそうだ。
いつもただのいい人で終わってしまう。

やれやれ。